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by ume-no_ivory
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血液疾患医療講演会


先週の外来では、だんだんと体重が減っていくume夫を心配して、
治験コーディネーターの方が栄養指導を勧めてくださり、
先生に予約を入れてもらい、栄養士さんに現状をお話して
栄養サポート食品のサンプルをいただいて帰りました。
血液疾患医療講演会_b0128589_2082988.jpg

ume夫、とうとう私の体重を追い越しました。
追い越したと言っても、私より減ったという意味で。
184㎝と163㎝、私も太っている方ではなく9号サイズです。
どんだけ痩せたかって(涙;)。。。脱いだらスゴイです。


さて、昨日は大学病院主催の医療講演会に行ってきました。
今回は、私たちのために開催されたのかって思う位、
我が家の現状にピッタリの内容でした。




講演の内容を覚書のためにも、まとめてみました。
私の知識不足や勘違いなどで、誤った記述もあるかもしれませんが。。


☆『血液疾患治療中の上手な栄養のとり方』

先週相談に行った栄養指導室長による講演です。
化学療法や移植後は、味覚障害や胃腸障害のせいで食事がとれない
ことが多く、 なるべく消化がしやすくエネルギーになりやすいものを
選んで食べる。
栄養バランスを考えて食事をするのが望ましいが、食べられない時には、
まずは食べられるものを食べればよい。
   
 ・肉類は、鶏肉・豚肉・牛肉の順で消化が良い。
 ・エネルギー不足には、高脂肪アイス・プリン・ごま豆腐・カステラ・
  マドレーヌ・チョコレート・飴など、高カロリーのものを選ぶ。
 ・海藻類・キノコ類・繊維質の多い野菜・パイン・豆類のかわなどは、
  消化に悪いので、きざんだり軟らかく煮たりしてよく噛んで食べる。
 ・栄養補助食品としては、先日外来で教えていただいた、
  VCRESC・リカバリーmini・アミノケアゼリーなどを利用すると
  良いそうです。

  『食べないと動けない、まずは食べること。
   食べて腸を動かすと、免疫力がupする。』


☆『移植後の予防接種について』
   移植後は、これまでに持っていた免疫がリセットされ、
   2~5年位は免疫がほとんどない状態なのだそうです。

 『不活化ワクチン』について
   主にインフルエンザ・肺炎球菌。
   予防接種は、移植後6ヶ月を過ぎてから、慢性GVHDが増加していない
   ことを確認してから行う。
   インフルエンザは、移植後6ヶ月を経過した冬の時期から接種する。
   一度目の冬は2回接種を推奨。

 『生ワクチン』について
   生きた微生物を使用したワクチンで、効果が長い。
   はしか・風疹・水痘・おたふく風邪など。
   
   はしか・風疹・水痘については、一般の人で免疫を持っているのは
   90%。
   ume夫が行った同種造血幹細胞移植後の患者については、
   はしか7%・風疹27%・水痘60%と、かなり低くなり、
   (移植の種類、臍帯血とか自家移植などではその%は少し違って
   いました。)
   特に空気感染するはしかについては、もしかかった場合その死亡率は
   健康な人の100-300倍にもなるので、ワクチンでの予防が大切です。

   接種時期は、移植後2年以上経過・免疫抑制剤やステロイドが切れて
   いること、GVHDの増加がないことが条件でした。

   福岡BMTグループでは、2015年より生ワクチン予防接種が開始される
   ということです。


☆『造血幹細胞移植の温故知新』
    講師の先生が医師になられた1968年には、白血病の輸血は
    全血輸血のみ(今は成分輸血)で、生存期間は数か月と
    言われていました。
    1975年、アメリカシアトルの大学でトーマス博士が骨髄移植に成功。
    博士は、1990年に「骨髄移植療法の確立」でノーベル賞を受賞
    されています。
   
    日本では、1983年に金沢大学で初の成功例。
    その頃は、双子や兄弟間をドナーとする移植でした。
    それから1990年代になり骨髄バンクが設立され、非血縁者間の移植が
    行われるようになりました。
    
    はじめの頃は、患者さんとドナーさんの血液の型HLAが全部合わないと
    移植できないと言われていましたが、現在は一部違っていても良いことが
    わかりました。
    ちなみに、ume夫は一座不一致のドナーさんです。
    一部違うことによって、白血病に対する効果が高いということも報告
    されはじめ、HLAが半分違う血縁者からのハプロ移植についても
    これから研究が進んでくるそうです。

    白血病といえば、面会者は病室に入れずガラス窓から中を覗くだけ、
    病室の中にもビニールの覆いがあって、患者はその中にいるという
    イメージ、皆さんありませんか?
    ume夫のいた病院は病棟自体がクラス10,000の無菌病棟。
    患者さん同士のお部屋の訪問などは禁止ですが、病棟内は自由に
    行き来でき、家族は感染症などにかかっていない限り、
    いつでも面会できます。 私たちは今の無菌室しか知りませんが、
    昔と比べてずいぶん変わったようです。

    骨髄移植の前に患者のがん化した造血細胞をなくすために、
    大量の抗がん剤や放射線の照射を行う前処置がありますが、
    それを行うフル移植と、その量を少なく行われるミニ移植があります。
    ume夫はフル移植でしたが、体力の弱っている方や年齢の高い方には
    ミニ移植が多く行われています。
    しかし最近では、ミニ移植でも少ない前処置で残った白血病細胞が、
    移植後に時間をかけてドナーさんの細胞に入れ替わり、
    生着して寛解を保つことがわかってきました。
    もしかしたら、将来はあの苦しい前処置が楽になる日が来るかも
    しれませんね。

    この40年余りの骨髄移植の進歩はめざましいのですが、
    慢性骨髄性白血病にグリベックという特効薬が出たように、
    他の白血病にも特効薬が出来て、将来移植がいらなくなる時が
    くるのかもしれないというお話でした。
    


血液疾患の闘病生活は、他の病気と比べてもとても根気のいる
大変なもの、患者もその家族も明日を信じて必死に耐え忍んでいます。
でも、講演会の最後に、先生方も患者を救おうと必死で闘っているのだ
というお言葉があり、あらためて闘っているのは自分たちだけじゃない、
たくさんの人々の闘いを感じた講演会でした。 ありがとうございました。
    
    
    
  
  
by ume-no_ivory | 2015-01-26 23:20 | 闘病日記 | Comments(0)